2013年3月28日木曜日

『FYTTE(フィッテ)'13年5月号/㈱学研パブリッシング』

FYTTE(フィッテ)'13年5月号』にて、たまねぎ氷ダイエットの記事にカットを数点制作しました。
たまねぎ氷は最近ブームのようですね。
ダイエットだけでなく、体内バランスの調節にも良いようで、編集部の担当さんは花粉症が少し軽くなってきた、と教えてくれました。

サトウのカットはこんな感じです。
※肖像権、他関係者の著作権の関係で全部はお見せ出来ないので、本誌でご覧下さい。

2013年3月18日月曜日

サトウコウタ展『小さな灰色の脳細胞』作品紹介(3)/ジョン・ディクスン・カーとエドガー・アラン・ポー

エラリー・クイーンに続き、ジョン・ディクスン・カーとエドガー・アラン・ポーです。
展示作品に付けたキャプションから、本の背表紙などに書かれている文から引用した”あらすじ”と、僕自身の感想である”作品について”も紹介しています。



『皇帝の嗅ぎ煙草入れ(探偵:ダーモット・キンロス)/ジョン・ディクスン・カー』

あらすじ
向かいの家を眺めたイヴは、その一室で婚約者の父ローズ卿が殺されたことに気付く。犯人の茶色の手袋。こなごなに砕けた嗅ぎ煙草入れ…。証言できない事情を抱える中、容疑者に仕立てられ窮地に立たされるイヴ。心理の盲点を衝き、物理的トリックに対して心理的トリックを対置した、“密室作家”カーの最高傑作。


作品について
意外な結末、というか、まさしく盲点。知らずのうちに犯人に、そして作者に誘導されていたことに「やられた!」と思いました。個人の好みの問題でしょうけど、ちょっとストーリーのテンポにクセがあったのですが、読後は時間と共に味わいが増していきます。この事件で最初の犯人像として登場する「ドアの隙間から電灯を消す革手袋」というのが、怪奇な印象を強く植え付けてくれます。





『モルグ街の殺人(探偵:オーギュスト・デュパン)/エドガー・アラン・ポー』

あらすじ
モルグ街のアパートで親子が惨殺されるという事件が勃発した。母親の遺体は、のどを切られ、アパートの中庭に投げ落とされ、その娘は、暖炉の煙突の中に、押し込められていた。現場で犯人の声を聞いた人々の証言にはスペイン語、イタリア語、フランス語とさまざまだった。警察が解決できないこの不可解な事件をオーギュスト・デュパンが、見事な推理で犯人を鮮やかに突き止める。


作品について
元祖・推理小説にして世界初の名探偵誕生の作品でもあります。ポー独特のセリフ回しや作風は、まどろっこしくも詩的なリズムの面白さがあります。被害者は惨たらしく死体となっているのですが、なんと犯人は…!色んな意味で衝撃です。おそらくポーは推理小説を始めようと意図したわけではなく、これの影響で推理小説が生まれたのであって、あくまでポーの文学として読むもの…と思いたい。





この両人、実はキャプションを間違えて作ってました。。。
<証拠>

ちょっと見にくいですが、カーは名前が「ディスクン」と、ポーは探偵と作家名が逆になってました。
カーについては、ずっとディスクンだと思い込んでいたのです。恥ずかし。。。
正しくは「ディクスン(Dickson)」でした。





次回はヴァン=ダインとコナン・ドイルです。

2013年3月12日火曜日

サトウコウタ展『小さな灰色の脳細胞』作品紹介(2)/エラリー・クイーン

アガサ・クリスティに続き、エラリー・クイーンです。
展示作品に付けたキャプションから、本の背表紙などに書かれている文から引用した”あらすじ”と、僕自身の感想である”作品について”も紹介しています。

『九尾の猫(探偵:エラリー・クイーン)/エラリー・クイーン』

あらすじ
手当り次第に殺人を犯し、ニューヨーク全市を震撼させた連続絞殺魔〈猫〉の正体は? 〈猫〉が通りすぎた後に残るものはただ二つ——死体とその首に巻きついた絹紐だけだった。おそるべき連続殺人をつなぐ鎖の輪を求めて、エラリイと〈猫〉の息づまる頭脳戦が展開される!


作品について
始めて読んだエラリー・クイーンでこれをきっかけにクイーンにはまってしまいました。前作でエラリーは手痛い失敗をして、自信を失い田舎へ引き蘢ってしまいます。警視である父、リチャード・クイーンはトラウマを克服させようと捜査へひき戻らせ、息子の再起を促します。この悩めるクイーンが自分と向き合い何度も挫かれ、それでも真実へと向かっていく姿は、他の探偵には無い人間らしい不完全さの魅力が詰まっています。





『ギリシア棺の謎(探偵:エラリー・クイーン)/エラリー・クイーン』

あらすじ
盲目の老富豪ハルキスの死がすべての発端だった。葬儀は厳粛に執り行なわれ、遺体は無事、教会墓地に埋葬された。だが、その直後奇妙なことが起こった。保管済みの遺言状が見事に消失し、捜査も空しく何の手がかりも得られなかったのだ。大学を出たばかりのエラリイは棺の発掘を主張したが、そこから出たのは第二の死体だった! 緻密な推理が二転三転し、謎の犯人との息づまる頭脳戦が展開する、巨匠の最大長篇。


作品について
大学卒業後のエラリーが犯罪捜査顧問として始めて担当した事件です。“簡単な事件”と、たかをくくって事件に臨んだ若いエラリーは、その高慢な頭脳を犯人に利用されてしまいます。エラリーはこの経験で自分の未熟を悟り、屈辱と正義感に燃えて犯人へと迫っていきます。探偵としては珍しく、作品ごとに失敗や苦悩を重ねて成長していく決して有能ではないが、人間臭くて、私の一番のお気に入りの探偵でもあります。



キャプションでも書いていますが、クイーンは僕の大好きな推理作家で探偵です。
つまり作家=探偵となっているわけで、架空の探偵の事件録として本が出版された、というスタイルをとっています。
実際に書いているのはフレデリック・ダネイとマンフレッド・リーのコンビです。
このクイーンはホームズやポアロのような完成された探偵と違って、挫折や失敗の多い探偵です。
人間的な葛藤の多いクイーンはとても親近感があり、作品のプロットもとても手が込んでいます。
『九尾の猫』は今回の展示で一番よく出来た作品になった、と自賛しています。



次回はジョン・ディクスン・カーとエドガー・アラン・ポーです。

2013年3月7日木曜日

サトウコウタ展『小さな灰色の脳細胞』作品紹介(1)/アガサ・クリスティ

もう3月になっちゃいましたが、今更と言わずおさらいですよ。
個展で展示した作品、まずはアガサ・クリスティです。
”あらすじ”は本の背表紙などに書かれている文から引用、”作品について”は僕自身の感想を展示作品のキャプションに付けました。

『鏡は横にひび割れて(探偵:ミス・ジェーン・マープル)/アガサ・クリスティ』

あらすじ
穏やかなセント・メアリ・ミードの村にも、都会化の波が押し寄せてきた。新興住宅が作られ、新しい住人がやってくる。まもなくアメリカの女優がいわくつきの家に引っ越してきた。彼女の家で盛大なパーティが開かれるが、その最中、招待客が変死を遂げた。呪われた事件に永遠不滅の老婦人探偵ミス・マープルが挑む。


作品について
時代の変化を受け入れ、足の不調を理由に家に籠っていたマープルが、事件に関わっていくことで徐々に元気になっていくところがとても可愛いらしいです。 個人的に、仕事は雑でおしゃべりなお手伝いのチェリー・ベーカーがお気に入りです。クリスティ作品には、若くて愛らしい感じの溌剌とした女性がよく出てきますが、殺人事件という状況でもこういう人物のおかげでコミカルに見せるのも彼女の作品の魅力の一つだと思います。





『そして誰もいなくなった(探偵:????)/アガサ・クリスティ』

あらすじ
互いに見知らぬ、さまざまの職業、年齢、経歴の十人の男女が、「U・N・オーエン」と名乗る謎の男からインディアン島への招待状を受けとった。一行は豪奢な大邸宅へと着いたが、肝心の招待主は姿を見せず、その代わりに見事な食卓が待っていた。不審に思いながらも十人が食卓に着いたとき、どこからともなく古い童謡が響いてきた。続いて十人の客たちの過去の犯罪を一人ずつ告発していく不気味な声が…!


作品について
女王クリスティの最高作と言われるだけあってとても面白かったです。探偵役が存在せず、一人一人の心理描写にスポットが当てられ、死者が出るたびに互いを疑い、醜く脆い心を剥き出しにしていきます。 イラストは、マザーグースの童謡「10人のインディアンの子供」になぞらえて、殺人が行われるたびに一つずつ消えていく、10体のインディアンの子供の人形です。




これらの作品は映画や舞台にもなっているクリスティ自身も気に入っているという名作です。
『鏡は横にひび割れて』は映画版は『クリスタル殺人事件』というタイトルに改題され、詳細も若干変わっています。
実はもう一点、ポアロものも考えていたんですが、今ひとつうまくまとまらなかったのと
クリスティ作品が偏り過ぎると思い、結局やめてしまいました。
DMには登場してたのに。。。



次回はエラリー・クイーンです。